さてここでおさらいを兼ねて、iPhotoとApertureの共存についてメモっておくことにします。最後には、共存・両立の暫定的な方法を記します。
前回 Aperture 3 iPhotoブラウザの崩壊 と 前々回 Aperture 3 iPhotoライブラリを読み込めない からの続きのような記事ですが。
iPhotoとApertureは機能的によく似ており、普通に考えれば目的に応じてそのどちらかを選択して使えばいいということになります。
どちらかだけを使うのならば話は簡単です。
iPhotoだけを使うならApertureを買わなければいいだけ、Apertureだけを使うのならiPhotoライブラリを全部読み込んで移し替えた後iPhotoライブラリを捨てればいいだけです。
しかし私は両方を使用しており、どちらかを切り捨てることはできません。
その理由は以下の通り。
そもそもiPhotoが先にあった。Apertureの先行きに不安もある。
iPhotoが扱えるファイル形式のほうがApertureで扱えるものより多い。
そのため、一元管理にはまずiPhotoということになる。
少ない数のキーワードを写真に付けていくのはiPhotoが有利(ワンキーショートカット)
キーワードが沢山ある場合はApertureで管理するのが有利(階層化など)
上記から、まずiPhotoで大まかなキーワードを手早く付け(仕事・家族など)、次にApertureで管理してより細かなキーワードを追加していく(物件名など)のが、目的・効率ともに良い。かもしれない。
iPhotoはMacにバンドルされているから誰でも持っている。家庭内ネットワークで写真を共有できるのはiPhotoならでは。
画像やメタデータの細かな調整は圧倒的にApertureが有利だから後加工に最適。iPhotoで全てを読み込み、その後Apertureで参照して読み込むという方法はAperture 2 ではパーフェクトに機能していました。高機能Apertureですから、iPhotoライブラリから必要なイベントだけを後から読み込むことができたからです。
ところがこの関係がAperture 3 の不出来によって逆転しました。
ApertureからiPhotoライブラリのイベントを読み込めなくなったわけです。
個別に読み込む方法はただひとつ、「iPhotoブラウザを表示」にして、選択して読み込むことです。
この方法では参照ファイルとして読むことができません。コピーになってしまいます。これは最低です。
逆にiPhotoの機能を見てみますと、同じような「Apertureライブラリを表示」ができます。このブラウザから選択的にiPhotoに読み込むことができます。ここまでApertureといっしょ。
ところが意外なところでiPhotoのほうが高機能だということが判明しました。
iPhotoでは個別に「参照ファイル」として写真を読み込むオプションこそありませんが、環境設定に「写真をiPhotoライブラリにコピーする」というチェック項目があります。このチェックを外すと、読み込みが「参照」になるんです。
環境設定での設定だから、どのような読み込み方をしようと反映されます。
「Apertureライブラリを表示」からドラッグして読み込めば、それはちゃんと参照ファイルとして取り扱われていることを確認しました。これはAperture 3 にはできない芸当です。
さて結論です。
Aperture 2 までは、iPhotoライブラリの中身を参照して写真管理体制を築くことができました。
Aperture 3 ではそれが不可能になっています(今のところ)。ではどうするかとういうと、Aperture 3 の導入と同時に、立場を逆転させるのです。
今後はAperture 3でまずすべての写真を読み込み、その後iPhotoで参照ファイルとして読み込みます。
この方法の最大の欠点は、ApertureでつけたキーワードをiPhotoが読み込めない点です。キーワードを付ける手順が面倒なことになりますが仕方ないのかもしれません。
Apertureで読めないファイル形式については、その問題はそもそも過去ファイルに顕著なので未来に向けてはあまり大きな問題にならないし、もともと読めないのだから最初から両方のソフトで使うのは無理なのでこれはiPhotoでそのまま管理していればいい。
iPhotoライブラリにはAperture2を使っていた時期以前の全てのファイルが、Aperture3導入日以降の全てのファイルはApertureライブラリに入っているという、ちょっとだけややこしいことにはなりますが、現時点ではこれしか方法がなさそうです。ライブラリは両方大事、を合い言葉にバックアップを怠らないようにすればいいでしょう。
Apertureは使いたい。けどライブラリは家族と共有していたりしていたいのでiPhotoと併用したい、という人がどれくらいいるか知りませんが、そういう人の参考になれば幸いです。
もっと他にいい方法があるという人はぜひ教えてください。