Time Machine は素晴らしい。過去20年、いろんなバックアップソフトや自動化による制御などやってきましたがどれもこれも長続きせず、肝心なときに役に立たずになってきたものです。
Time Machineの優れた点は「ほとんど何も考えたり行動したりしなくても勝手にバックアップをしてくれている」ところです。この発想の転換は実に見事。皆さん、是非とも外付けハードディスクを買ってTime MachineをONにしましょう。ハードディスクを繋げて、システム環境設定でTime Machine用ディスクに指定し、ONにするだけです。
と、素晴らしいTime Machineですがごく希にやっかいなことになります。
バックアップが途中で止まる、エラー表示が出て続行できないなど、問題が発生するとどうしてよいやらさっぱりわかりません。
数年使ってきましたが、突然様子がおかしくなりました。ある日にち以降、バックアップが成されていないことを発見したのです。エラー表示もないまま、バックアップ作成作業がすとんと終わります。手動で「今すぐ」にして何度も試しているとエラー表示が出始めました。
どうやら何かがおかしくなったようです。さてみなさま、ここで慌ててはいけません。
私は慌てました。ヘルプを検索して、Appleのサポートサイトを検索して、ディスカッションを舐め尽くし、翻訳サイトのお世話になりながら英語の記事も読み、ライブラリの初期設定を捨て、不可視ファイルを検索して削除して、あれやこれやの大騒ぎをいたしました。
その結果は果たして何をやっても解決せず、症状は悪化するばかり。ついにはこれまでのバックアップを諦めてHDDの初期化を何度もやって、最後にはOSのインストールし直しというめちゃくちゃ手間のかかる最終手段にまでおよびました。
それでどうなったかというと、まったく何の解決もいたしません。
もう手の施しようがないのです。
さてみなさま、教訓がひとつあります。Appleのサポートサイトは何の役にも立ちません。あの重いページを丹念に見るくらいなら、最初からgoogleのお世話になりましょう。
前置きが長くなってしまいました(ここまで前置きかいっ)
結論を書きますと、Time Machineのエラーが出始めたら、まず真っ先に疑うべきは「バックアップ元のファイルが壊れている可能性」なのでした。
壊れていると言っても、ディスクユーティリティで問題のないレベルというものもあるようなのです。
Time Machineに悪さをする程度の壊れかた、と言いましょうか、とにかく、バックアップ元のファイルのどれかがおかしい可能性が高いでしょう。
Time Machineのエラーにお悩みの方、Time Machineを動かしてエラーが出た直後、まず最初にすることは「コンソール」というユーティリティを起動することです。
コンソールが起動したら、ファイルメニューから「システムログ」を選びましょう。system.logの画面が現れます。
ややこしい文字列が現れますがびびってはいけません。
ここにはシステム関連の動作が逐一記録されています。Time Machineのエラーも記録されているのです。
たとえば 「Error: (-36) SrcErr:YES Copying /Volumes/・・・」
「Error: (-8062) SrcErr:NO Copying /Volumes/・・・」
「Stopping backup」
「 Copy stage failed with error:11」
などという表記が目に付いたらしめたもの。Volumesの後ろに、エラーを起こしたファイルが特定されたりします。
ファイルが特定されていたら、該当ファイルを削除します(削除できないファイルなら何らかの救済措置を取ってから)きっとこれで問題は解決していることでしょう。
私の場合はここにiTunesの音楽ファイルが指定されていました。
ディスクユーティリティの検査や修復をかいくぐり、それどころか、該当ファイルはiTunesで問題なく音楽として再生され、どう見ても壊れたファイルに見えないのですよ。でもコンソールはエラー元のファイルとして特定してきたのです。
幸いCDで持っている曲だったので躊躇なく削除しました。
その後、Time Machineは何事もなかったように普通に正確に動き始めました。いままでの壮絶な苦労は何だったのかと拍子抜けです。
というわけで、今日はコンソールというものを学びました。
今後、いろんなエラーに遭遇したとき、聞きかじりの危なっかしい対処をする前にログを見て何が起こったのかを冷静に判断することが大事だということですね。