京都在住の老夫婦の日常「いつもふたりで」で見せた著者の優しい目が今度はロンドンのマーケットに向けられています。
マーケットと言っても金融市場のことではありませんよ。
ロンドンを代表する風物、ストリート・マーケット(骨董市、フリーマーケット)を通して、リアルなロンドン、イギリス流の暮らしや文化をとらえたエッセイになっています。
著者の取りためたという230点の写真に加えて、丁寧な地図やアクセスも掲載されており、一風変わったガイドとしても楽しめる作りです。
ロンドンはおろかどの外国も知らない私でもとても楽しめました。ちょっと地下鉄に乗ると、今すぐにでもロンドンマーケットに行けてしまいそうな気になります。マーケットの描写を通じて人々が描かれています。同時に風物や文化や政治も読み取れます。
「ロンドンのマーケットに行こう」は東京書籍から。1900円。