内容を少しまとめてみます。講演後半のWiiの部分から。
性能至上主義からのパラダイムシフト。
豪華な発展がゲーム業界の従来の黄金律であった。これにどっぷり浸かっていても発展はないと判断した。
携帯機ではパラダイムシフトが起きた。据え置きでもそれが起きる。
技術の進歩はプロセッサやグラフィックの性能向上だけではない。技術の進歩をどの方向に使うかという選択の問題である。
最新技術を用いることによって以下のことが実現可能。
省電力、省スペース
高速起動、すぐ中断できる
ネットワーク、常時接続
据え置き機はどうあるべきか
ゲームと家族の関係を変えられるか。生活の中に如何に自然に入っていけるのかが重要である。
現状、
他人のプレーを見てゲームをしない人は後ずさりする。
ゲーム機のことだけを考えている人は少ない。
家庭の中で邪魔だと感じている人が多い。
ゲームを害悪と思う人はまだ多い。
ゲームコントローラは普段、片付けられている。
目指すべき方向は誰にも敵視されない存在になること。自然に家族にとけ込むこと、誰もが、自分に関係あるものとしてゲームコントローラに触れること。
大作化に歯止め
あらゆるゲームが大作化することに歯止めを掛ける必要がある。
これまでのパッケージでは、面白いゲームアイデアがあっても、例えば5800で売るためにムービーや美麗グラフィックやストーリーやキャラクター設定などを付加してしまう宿命にあった。
これを根本的に変えたい。
重厚長大路線ももちろん必要、ソフトボリュームと価格のダイナミックレンジを広くしたい。
バーチャルコンソールでは、過去ゲームだけでなく、軽い新作も考えている。これは、新しい開発者に門戸を開く目的もある。ベテラン開発者引退時に起こるであろう開発者不足に対する準備にもなる。
新しいパッケージ形態でのスポーツゲームの提案
プロスポーツのライセンスを受けない、著名ゲームキャラクターを使わない、という方向性。
シンプルで安価、気軽で直感的な操作が出来る新しいパッケージ形態になる。
似顔絵機能を本体に入れたい。他のゲームでも使用できるようにする機能を付加。
“Touch Generations”のWii版は?
E3では、従来路線のゲームの紹介が多かった。
DSのようなWiiならではの新しいものを実は制作中。だが、脳トレのヒットによりフォロワーが多く現れてきたのでそっち方面はまだ秘密。お楽しみに。
WiiとDSの連動
これまでの連動は上手くいったとは言えない。ケーブルが必要だったり、接続が煩雑だった。
DSの顧客にとって、Wiiがあると嬉しいことがある、と誘導する。
DSをWiiのタッチスクリーンコントローラーとして使用
DSステーションに準じたダウンロードサービス
DSソフトを拡張
WiiConnect24
毎日新しい体験を得られるようにする。
現在、商品寿命は短い。その理由。
ユーザー側:お客に、ゲームの仕掛けはすでにバレているから。バレているので一通り遊んだら売り払い、長く遊ばない。
開発側:大作路線を引きずっている。
WiiConnect24によるひとつの解答。
スリープ中にも情事接続、ネットワークを通じて新しい体験を提供する。新しい要素を付け加えていく。これにより、ゲームパッケージの中に全てのボリュームを詰め込む必要がなくなる。
ネットワークで目指すこと。
対戦しかないネット利用はまだまだ世界が狭い。
共有や循環を作り、文化として育てたい。