macOS 10.15 Catalina で Aperture のプレビューとサムネイルが壊れていく現象です。一瞬正しいサムネイルが表示された後、次々に壊れていきます。何が起きたのでしょう。解決方法はあるでしょうか。あなたの判断が問われる案件です。
えっ。macOS 10.15.7 Catalina で Aperture 起動しないでしょ?はい。そうなんですが、そうでもなくて、Retroactive によって Catalina でも Big Sur でも Aperture は起動できます。ええっ。今どき Catarlina とか Big Sur とか言っちゃってるんですか?いつの人ですか。ええいやかましいわっ。
Retroactive
cormiertyshawn895 さんによる Retroactive は 対応OSから外れたいくつかのアプリケーションを復活させる魔法のツールです。
Aperture、iPhoto、iTunesをmacOS Ventura、macOS Monterey、macOS Big Sur、macOS Catalinaで実行。
Xcode 11.7をmacOS Mojaveで実行。
Final Cut Pro 7、Logic Pro 9、iWork ’09をmacOS MojaveまたはmacOS High Sierraで実行。
Aperture は、ビデオ再生など一部機能が制限されますが、基本的な使い方ならCatalina で実行できます。メインで使用しなくても、少なくとも起動して内容書き出して他への移行準備など実務的なことが行えます。
の、筈でした。しかし問題が発生しました。
Aperture崩壊
Apertureを開くと、最初ちゃんとしていたサムネイルが見る見る破損していきます。
サムネイルが壊れ、プレビューが壊れ、写真の表示ができない状態に陥りました。インポート直後はちゃんとしているように見えますが、ダブルクリックしてもまともに表示できません。サムネイルがノイズの固まりになりプレビューも同様です。
トラブルシューティングに従い、サムネイル再生成やオプション押しながらプレビュー生成(強制)を行ってもビリビリした変なものしか作られません。開くと「読み込み中」で固まるか、ノイズまみれの画像が出てくるか「対応していないフォーマット」と出るだけです。
同じライブラリを写真.appで開くと問題ありません。マスターファイルをFinderから確認しても問題ありません。サムネイルとプレビューは完全崩壊しています。
読み込み直したり、Apertureを一旦捨てて再ダウンロードして再Retroactiveしてみても何も変わらないし、Macのトラブルシューティングも一切効きません。
Retroactive の問題なのだろうかと最初に疑いますが、公式には特に何の記述もありません。
google検索しても酷い結果で、解決策どころか、この症状の報告すら全くヒットしません。
というか、日本語で検索してもどうにもなりません。大抵何も出てこないですね。ニュースもね。日本の衰退と連動して、日本語の情報も日々腐り落ちているように感じます。
以前は職人気質のブログがたくさんありましたが今ではアフィリエイトの役立たずばかりになってしまいましたし、大抵の発信は便所と化した旧Twitterの落書きに留まります。そういえば日本人はコンピュータを扱えないデジタル文盲率が高いと何かで読んだことがあります。
それはともかく、英語で検索するとちゃんとヒットしました。
Retroactive フォーラムに有意義な情報
ヒントの鉱脈、これは Retroactive のフォーラムでしょうか?そのようです。
Aperture broken by Catalina 10.15.7 (19H1030) update
3年近く前にすでに閉じているこのフォーラムの多くの報告を丹念に読みまして、それでおぼろげながら概要がわかりました。
OSの更新後のセキュリティアップデートにより、Apertureが使用しているcore Image かメモリ関係か何か知らないが仕組み部分が変更されそれでぶっ壊れるということのようです。セキュリティアップデートは何個もありますが、何番まではOKだった、何番は駄目だったと細かく報告が続きます。
しまいには「もうどうにもできない」「これが人生というものだ」と達観。そして作者さんへの感謝の言葉が溢れます。次々に述べられる言葉に目も潤み、まだまだ世界は捨てたもんじゃないな日本はともかく。と思ってるとまだ続きがあって、細かい報告の末に妥協点らしきものが見えてきました。
解決方法
結論を書きますと、Catalina を再インストールしてセキュリティアップデート2022-005をインストールしないようにします。これでApertureは治ります。
これを書いている時点でCatalinaのインストーラーはすでに幾ばくかのアップデートがされた10.15.7 状態です。インストール直後のApertureは正常に動きますが、アップデート 2022-5 を掛けてしまうと壊れます。2022-005 を決してインストールしてはいけません。
すでに崩壊してしまっている場合は、インストーラーで10.15.7を再インストールします。OSだけが初期状態になります。Safariなど、更新済みのアプリは影響受けません。ソフトアップデートのお知らせでセキュリティアップデート 2022-005 の案内が出ている状態に戻せますから、これを無視します。Apertureが元通り使えるようになりました。
以上です。フォーラムの貴重な情報のおかげでApertureがCatalinaで再び使えるようになりました。
OS Catalina上で Apertureを使っていて困っている私やあなたは、セキュリティアップデートを放置するか、Apertureを諦めるかの選択を迫られています。私はもちろんアップデートを放置、あなたはどうしますか?
Apple がこの問題を修正する可能性は 0 です。
今後、Catalina のインストーラーが更新され、セキュリティアップデート2022-005を含んでしまうことになることもあり得ます。今のOSインストーラーをダウンロードして大事に保存しておきましょう(意味があるのかどうかは別として)
あるいは、フォーラムの人たちと連帯感を持って「諦めよう。これが人生というものだ」と達観し「作者さん、これまでありがとう。あなたのおかげで、何年も延長して優秀なアプリを使うことができたよ」と感謝で締めましょう。
こんにちは、書き込み失礼いたします。
私はEl CapitanでApertureを使用しておりますが、最近になってプレビューの画像がおかしくなる写真が急に増えて困っておりました。
プレビューをクリックして元画像を見ようとすると、やはり元画像もなぜかおかしくなっておりどこか壊れてしまったのかと不安になっておりましたが、このようなケースでのトラブルが起こっていたのですね。
近日中にEl Capitanを再インストールしてその経過を見てみることにいたします。
でも、おかしくなってしまった画像はほぼ全てゴミ箱にいれて消去してしまったのですよね。これらを元に戻す方法があればよいのですが…。
ゴミ箱に入れて消去・・・それは
もしTimeMachineをお使いなら、戻しておくことをお勧めしたいのですが。
TimeMachineがなければ、削除したデータを復旧させるようなユーティリティを試すのもありかもしれません。
元の画像(マスター)には問題がなくて、Apertureが生成するプレビューとサムネイルに問題が発生したと思います。
El Capitan や Aperture が知らないタイプのRAWファイルやQuickTimeの対応から外されたタイプで問題が起きるかもしれません。
うちだと、一部のpsdファイルとTIFFファイル、グレースケールファイル、PENTAX独自のRAWファイル、多くのムービーファイルで「未対応」と出たり、壊れたプレビューになったことがあります。
いずれにしても、マスターファイルには問題ありません。Aperture Library ファイルのコンテキストメニューで「パッケージの内容を表示」にして、中のフォルダを探っていくと Masters にマスターファイルがあります。中を確認すると問題ないことが見て取れると思います。
Apertureをコマンド+オプション押しながら起動して、各種修理を施したり、「マスターから再処理」などを行う事で修復できるかもしれません。
コメントいただきありがとうございます。
マスターファイルには問題が無いという事を聞いてほっとしましたが
やはりファイル自体を消去して無くなってしまったことをどうしようか考えています。
お薦めのデータ復旧ユーティリティは何かございますか?
データ復旧のアプリを使ったことがあるのは遙か昔ですから、今は助言できることがありません。すいません。検索などして良さそうなのを見つけてください(Data Rescue とか他にいくつか使ったことがあったような)
復旧をお考えなら、復旧するボリュームをなるべく触らないようにしてください。可能なら、外付けに起動ディスクを作ってそっちで起動しておくのが良いです。というか、もし本気なら今すぐ使用を停止しないと、使えば使うほど、内部で上書きされていき、復旧の可能性が閉ざされてしまいます。お気を付けて!