コマンド絡みのショートカット 問題と解決 – 10.12 とKE

macOS 10.12 でグラフィックソフトのコマンド+スペースが微妙に効かない問題とその原因についてです。

10.11から10.12はいくつかのアプリケーションが非互換になったりSSHのバージョンが変わったりした以外は10.11とあまり大きな違いがないようでしたが、コマンド+スペースのショートカットが使い難すぎてうんざりしていました。

グラフィックアプリのツール切り替え時のコマンド絡みの不具合

症状は、コマンド+スペースのショートカットの挙動が変ということです。正確にはスペース+コマンドです。これが微妙に効きません。この症状は主にAdobeのグラフィックソフトやAffinityなど一時的なツール切り替えショートカットを持つアプリケーションで発症します。

判りやすくPhotoshopで言いますと、まず画面をスクロールする手のひらツールというのがあります。

 手のひらツールはスペースキーを押している間選択されます。これで画像をぐりぐり動かしますね。

手のひらツール使用例
手のひらしながら拡大縮小を行います

この状態でコマンドキーを追加で押さえると拡大ツールに、オプション(またはコマンドとオプション)を押さえると縮小ツールになります。スペースを押したまま、コマンドを加えたり離したりオプションを加えたり離したりします。こうして縦横無尽に画像の目的箇所にアクセスできるという案配です。ツールの一時的な切り替えショートカットですね。便利というより、最早これなしで作業できません。

で、これが効きません。スペースを押さえている状態でコマンドを追加しても何も起こりません。オプションなら効きます。拡大は効かないのにその状態でオプションを加えると縮小になります。オプションを離せば拡大になります。そのままコマンドを離しても手のひらに戻りません。なんだこれ?

えーと、ややこしいのでまとめるとこうです。

スペース 手のひらツール – 効く
スペース+コマンド 拡大ツール – 効かない
スペース+オプション 縮小ツール – 効く
スペース+コマンド+オプション 縮小ツール – 効く
スペース+コマンド+オプションの状態でオプションをオフ 拡大ツール – 効く
その状態でコマンドを離す 手のひらツール – 効かない

こんな感じで、全然効かないんじゃなくてコマンドとスペースが絡んだ部分が微妙に効かず、訳のわからない挙動でたいそうイラつきます。

考えられる原因と対処(ハズレバージョン)

10.12ではいろいろと他の機能とショートカットが被ります。SiriとかSpotlightとかですね。最初に考えられるのはこれらと関わりです。そこで、システム機能拡張でショートカットを変更したりSiriを無効にしたりしますね。念のため日本語変換のオンオフのコマンド+スペースとオプション+スペースを入れ替えたりもしてみました。結果は、まったく関係なく症状に変化はありません。

ネットでコマンド+スペースの問題を検索したらまずこれらがヒットするんじゃないでしょうか。でも関係ありませんでした。

答えは Karabiner Elements

もったいぶらずに言いますと、Karabiner Elementsの問題でした。

Karabiner Elements Icon
Karabiner Elements

10.12からKarabinerが使用できなくなり、Karabiner Elementsを代わりに使用することになりましたね。左右のコマンドキーを日本語変換に代用するルールも配布されていて、一見Karabinerと同じ事が出来るようになって「よかったよかった」と喜んでいたわけです。

karabiner elements 設定画面
Karabiner Elements 設定画面

ところがこいつが悪さをしていました。

Karabinerでの同機能では何の問題もありませんでしたが、Karabiner Elementsの同機能(現在 rev 2)ではツール切り替えに問題を起こします。

Karabinerを終了してみると、PhotoshopでもIllustratorでもいつもの流れるようなツール切り替えの挙動を取り戻しました。心にほわっとお花が咲いて「あーよかったー治ったー」と安堵のため息が漏れます(相当イラついてダメージ食らってて作業効率半減していたらしい)

コマンドキーの部分だけが怪しいので真っ先にKarabiner Elementsを疑わねばならなかったんですが、なんせ便利に使っていて切りたくなかったので最後の最後まで見えないふりしてました。しかもOSを10.12に上げたばかりなので憎しみを込めてOSのせいにしていました💦 まあしかしKarabinerが動かないのも10.12のせいですからOSのせいと無理矢理言えなくもないですけど。

Karabiner Elementsの修正を待ちましょう

Karabiner Elementsのルールというものがどういう仕組みで作られているのかわかりませんので自分で改造するなんてことはできるわけがありませんし、この不出来が改良されるのを大人しく待つしかありません。この投稿を機会に念のためImport more rulesを確認しましたが「コマンドキーを単体で押したときに英数・カナキーを送信する」はrev 2のままでした。Karabinerでは問題なかったのにElementsで問題があるのは、このルールのせいなのか、Elementsそのもののせいなのか、そこまではわかりません。

原因がわかりましたので、グラフィックソフトを使うときはKarabiner Elementsを終了させることで対処します。英数に戻すのに左コマンドをポンと叩くのがくせになってしまっていますので、配布ルールが改善されるまでは以前のようにコマンド+スペースで変換する癖に戻しましょう。

まとめ

変なサイトみたいに「まとめ」とか書きますが、まとめるとこうです。

症状

スペース+コマンドみたいな、一時的なツール切り替えのショートカットでコマンドキーが含まれるものが効かない。

原因

Karabiner Elementsです。

この話題に関係する人

したがって、そもそもこの話題は以下の人にしか当てはまらない話でした。

  • グラフィックソフトを使用している
  • USキーボードを使用している
  • コマンドキーに変換モード切り替えを割り当てている
  • Karabinerを使っていてその延長で疑問なくKarabiner Elementsを使っていた

対処

Karabiner Elementsを使用しない

以上です。お疲れ様でした。

 

この記事に続きがあります。

⌘英かな に変えてみた

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