iTunes Match が日本でも始まりました。みんな大はしゃぎで登録しまくり、サーバーが悲鳴を上げているのかどうなのか、多くの人が終わらない・進まないセットアップ地獄に嵌まってイライラざわざわしております。
iTunes Match 日本で開始
サービス開始から2年以上遅れてiTunes Matchが日本でも利用できるようになりました。
iTunes Matchのメリットがいったい何なのかというと、私個人の理解では以下の三つです。
iTunes Match のメリット
1. ライブラリがクラウドにバックアップされる(音楽のみ・AAC圧縮音源)
今のところムービーや音楽以外の形式に対応していないので、iTunesライブラリ全体がバックアップされるということはありません。音楽のみです。でも外部にバックアップできるのは大きなメリットです。
ただし普通のバックアップではありませんので注意が必要です。256kbpsのAACに変換されて保存されてしまいます。高音質ファイルがすべて圧縮音源になってしまうわけですからあまりバックアップとは思わない方がいいかもしれません。でもメインのファイルもローカルバックアップもすべて失われるような大惨事を想定しますと「たとえAACでも音楽がクラウドに保存されていて良かった」と思えるかもしれません。
2. 他のデバイスで外出先でもライブラリ全体にアクセスできる
外出先でライブラリにアクセスできて、ストレージやダウンロードできるというメリットは私個人にとってはあまり関係ありません。でもこれが一番のメリットと思える方も多くおられることでしょう。たぶんこれこそが iTunes Match の一番の売りかと思われます。
3. 以前に取り込んだ低品質の曲が少しマシな音(256kbps)に交換してもらえる
古くからiTunes(sound jamとか)を使ってリッピングしていたり、早くからiTMSで買い物をしていた人にとってはこれが嬉しい機能かもしれません。iTunes plusの時に有償でアップデートしなかった人もマッチさえすれば256kbpsに移行できそうです。昔に取り込んだ音の悪い項目がそれなりの音質に変身すればそれは誰もが嬉しいですよね。ただし古い曲や古いリッピングではマッチそのものが上手くいかなかったりして、過剰な期待は禁物です。
というわけでiTunes Matchですが、さっそく登録してる方も大勢おられるようですが日本からのアクセスが多すぎるせいかどうなのか、サーバーが上手く動かず遅々としてマッチが進まないという状況も見られます。
ステップが進まないときにしてみるといいかもしれないこと
● ステップが進まないとき、一晩も二晩も待ち続けるよりも、一旦停止してやり直すほうが早いです。
● 一度停止してサインアウトしてからもう一度サインインしてやり直すと良い、という話も聞きます。
● メニューの「iTunes Match」をオプション押しながら選択する、というアドバイスもありました。
● ステップ1で詰まったときは「停止」→メニューから「iTunes Matchをアップデート」が有効。
● ステップ2で詰まったときは「サインアウト」→「サインイン」でやり直すのが有効。
と、いうようなアドバイスも見かけましたが、もちろん私はそれが正しいかどうかわかりません。試しましたけれど。確かに少しずつ進んだような気がします。
つまるところ「一旦止める」「再開する」を繰り返すということですね。オプション押しながらのオフっていうのは、多分キャッシュをクリアするとか、そういう意味があるのだと思います。
駄目ならまた停止してアップデート、これを何度もやり続けると、ステップ2の終わりまで進みやすくなるということでしょう。なんとなく無理矢理な解決策です。
そうしたことを繰り返すことにより、ステップ1とステップ2が無事終わるかもしれません。
他に、ネットワークや個別の環境による問題もあるかもしれません。
● セキュリティ系の常駐ソフトを使ってる人はオフってみる。
● DropBoxやGoogle Driveなどのネットストレージ系の常駐ソフトをすべて終了してみる。
おまじないみたいなものかもしれませんが、効果ありという声もなくはないです。
ステップ3はマッチしない曲のアップロードなので、これは大いに時間がかかると思われます。何日も何週間も地道に待ちましょう。
私個人はステップ3が完了したというところをまだ目撃していません。ステップ3の途中で知らぬ間にまたステップ1に戻っています。勝手に再起動(?)でもしてるような挙動です。また、ステップ3の途中で完全に動作が止まります。
何日も経ちましたが未だに完了しません。気長に待つしかありません。
iCloudの状況…項目たち
不適格
「不適格」の刻印を押され、マッチもアップロードもなしという曲が出てきます。
「この項目は iCloud に適格ではありません」と説明が出ます。
Appleの説明による理由以外の曲でも不適格とされるものが発生します。
傾向としては別アカウントで別iTunesStoreから買った「保護された」曲である場合が多いようです。しかし、そうした曲でもMatchしているものは沢山あるし、あるアルバムの中でもマッチする曲と不適格の曲の両方が出てきたりもします。
iTunesStore関係無しにCDや他の音源から入れた普通の曲も含まれますので、「不適格」がどういった基準で成されているのかはちょっとわかりません。謎の挙動です。
「iTunes Matchをアップデート」を繰り返しているうちに不適格の曲が減ったり増えたりすることもありました。
別アカウントでかつて購入した保護された曲のうち、どうしてもMatchしない曲が残るかもしれません。面倒くさいですが一旦CD化する以外に手はないかもしれませんね。
CDにするときは「CDテキストを含める」にチェックしておくといいと思います。こうするとiTunesで読み込むときに曲が書き込まれます。音楽CDにはもともと曲情報が入っていないので普通にCDを作ってしまうと曲が何なのかさっぱりわからないということになりますのでね。
不適格の刻印を押された以前買った曲はAppleのサーバーから消えている可能性が高く、CD化してもマッチせず、そのままアップロードされてしまうものも多くあります。この場合は256kbps化の恩恵は残念ながら全くありません。
待機中はたっぷりと
点線雲マークの「待機中」項目は大量にあって、ずっと待機しております。待機しすぎです。
多分マッチせずにアップロードの順番を待っているのではないかと思われます。しかし有名なアルバムなのにマッチしないのも沢山あって疑わしいです。
矢印付き雲アイコンのグレーアウト
もう一つ気になるやつがおります。
グレーアウトです。
雲矢印のアイコンで待機中ですがグレー表示になっていて、こうなってしまった曲はダウンロードもアップロードもバックアップも、そして聴くことすらできません。
これ、どうなってしまうんでしょうか。いずれ何とかなりますか?
このグレー項目、やたら沢山あるんですけどどうしましょ。
消える「iCloud の状況」の対処
さて、iTunes Matchをオンにすると「表示オプション」に 「iCloud ダウンロード」と「iCloud の状況」というふたつのオプションが現れます。
これらを利用してスマートプレイリストを作り、進行状況なんかを確認するわけですが、このうち「iCloud の状況」がときどき消えます。ふいに消えます。いつの間にか消えます。これはいったい何事でしょうか。
この表示が消えるときはMatchがうまく行っていないときかもしれません。
消えた「iCloud の状況」を表示する方法は、STOREメニューの「iTunes Match」がオンになっている状態でiTunesを終了させ再び起動させます。そうすると「表示オプション」の「iCloud の状況」が復活します。
この件はAppleのサポートコミュニティの投稿の中にありました。
iTunes Storeから消えた曲たち
iTunesMusicStoreのサービス自体も日本には随分遅れてやってきました。遅れてやってきた上に値段は高いわ曲は充実していないわで使い物になるまでには長い年月を要しました。多くの人がズルをしてアメリカやイギリスやフランスのアカウントを作っていたのではないでしょうか。
iTunesMusicStoreからMusicが消えて久しいですが、曲自体は順調に増えています。しかし減っているのも多いのです。これは日本でもアメリカでも同じようなもので、パッケージ不要のデータ販売なので「廃盤」とか「希少」とか、そういうものこそ売ってくれるのではないかという当初の期待を他所に、実際のところレーベルの都合などで一旦売っていた曲もどんどん消えています。
iTunesStoreで買った曲の多くがマッチしませんでした。世界中のiTSのデータとマッチしないという、つまりネット廃盤になってしまってるんですね。想像以上に消えた曲が多いのがショックなのでした。
えっ、こんなのもないの?っていうのもちらほら
そう、そんなわけで、例え日本のiTSになくとも、世界のどこかには必ずあるだろうと思われる定番や名作アルバムでもことごとくマッチしないのです。予想以上に沢山です。
無茶苦茶マイナーなのではなく有名どころの多くもマッチしませんでした。こんなことでいいのだろうか。もしかしてマッチ判定の間違いとか?
これほどマッチしない曲が多いとは、なんかiTSそのものへの不信感に繋がります。
音楽ですらこんな状態なら、書物がもし電子書籍ばかりになったら大変です。アレが消えた、これが消えた、あの本はもうない、あの本は引き上げられた、と、商店の軒先みたいな状態になってしまいそうです。データによる販売なら場所も取らずパッケージもいらずより多くより長く保存・販売できると楽観視していた自分の甘さに絶望します。
辛気くさいが待ちます
さて気を取り直してマッチ登録の続きです。
ステップ1やステップ2から全く先に進まなかったMatchですが、何度も停止してやり直しているうちに二日後にはステップ3に突入を開始しました。
高解像度のAIFFやロスレスであふれかえっているライブラリから少しずつクラウドにバックアップされていきます。まだ全体の10分の1くらいしか進んでませんが、完了すれば例え家が焼け落ちても大地震で崩れ落ちても原発が破裂して死滅しても平和呆けのファシストどもによる戦闘状態で焼け野原になろうとも音楽データだけはクラウドに残るという安心に繋がります。
マッチとか最早どうでもいいので、ライブラリがクラウドにバックアップされるというその一点に価値があると思い込みます。
このライブラリバックアップ、ムービーファイルも含めてライブラリ全体でやってほしいですよね。
ついでにApertureやiPhotoでもやってほしいですが、音楽と違って写真は何ともMatchしないからどうにもなりません。
バックアップだけに的を絞れば、ネットストレージのサービスでいいのがあるかもしれません。またちょっと探してみようかなと。
ところで全然話は変わりますがCDと言えばチルドレンクーデターの新作CDが6月に発売予定なのですね。「自由の恐怖」というCDでして、たまには形あるCDってのも買ってリッピングしてください。解説とか多少の写真が入ったミニブックレットも付きます。iTunes Storeでも売られるかもしれません。
というオマケで宣伝でした。
[追記]
何かの加減で「不適格」が一気に「マッチ」に変わったので、その隙に300曲ほど256kbpsゲットしておきました。が、次に気づいたときにはまたぞろぞろと「不適格」増えてました。
何だか良くわからない仕組みですが「不適格」になったり「マッチ」になったりいろいろ動いています。運良く「マッチ」に変わったタイミングを逃さずに256kbpsと入れ替えるのがコツなのでしょうか。
[追記]
6日目にして、やっと登録が終わりました。「不適格」がまだ沢山残っていたり、マッチングエラーらしき残骸もいろいろありますし、どうも変なのですが、とりあえずは良しとします。
このページで紹介した対処法のどれが功を奏したのかはわかりません。単にサーバーの調子がよくなっただけかもしれません。
[追記]
1年後。結局ばからしくなってこのサービスの更新をやめました。
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